治療方針
自然形体の治療は、マッサージや指圧の様に強い刺激を加えたり、整体やカイロの様に瞬間的に強い力を加えるのではなく、出来るだけ患者の身体に負担を掛けずに自然な動きの中で身体のバランスを調整します。
例えば呼吸は自律神経によって支配されています。呼気では副交感神経、吸気では交感神経が働きます。重いものを持つとき瞬間に息を吸いますが、これは交感神経の働きで筋肉を緊張させるのです。逆にリラックスしたい時は、息をフゥーと吐いて筋肉の緊張を解きます。
この様な呼吸等の生理的現象を治療に利用することにより、身体に無理なく優しく治療が出来ますので、身体の衰弱した方や子供からお年寄りまで治療が受けられます。当院では治療中に眠ってしまう方が多いのも痛みを伴わない治療の特徴です。
このように当院では、患者の本来持っている自然治癒力を引き出し回復力の手助けを行うことを大切にしています。この治療により今まで治せなかったり、あるいは治すのに時間のかかった長年の交通事故の後遺症や難治性の腰痛、スポーツ障害等にも従来よりも数段良い結果がだせるようになりました。
治療手法について
自然形体療法の基本手法には、牽引、捻転、指頭静圧、横引き、振張法等がありこれらの手法を駆使して、”基幹の型”と云う自然形体療法の基本を施し、身体の歪みや緊張を改善させた後、必要に応じ患部に対して個別の手法を行い、症状や動作時での痛みの回善を行います。
もちろんカイロのようにボキボキバキバキしませんし、指圧のように強く押すこともありませんので、治療の翌日にもみ返しや筋肉痛が出たりすることはありません。
偽りの多い時代、当院は本物を提供します。
何故、整形外科で痛みが改善しないかについて。
現代人を悩ませる腰や首の痛み、多くの方が経験された事があると思います。
病院に行くと多くの場合、レントゲンをとりますが、殆どの症例で「異常ありません。」と先生から言われたます。もしくは、「何番目と何番目の骨が狭くなっています。これが原因です。」等。
この様に、現代医学を駆使しても問題の解決にはつながりません。なぜなら、この様な痛みは筋肉を含めた軟部組織の異常により痛みを誘発しているからです。筋肉の異常や軟部組織の異常はレントゲン装置では診断不能なのです。
レントゲンに関しては骨の器質的変化(骨腫瘍や奇形)や脱臼や骨折等には有用ですが、軟部組織の異常の判別には無意味なのです。ですから、レントゲンを撮って「異常ありません。」は、正確な表現ではなく、「異常があるのがわかりません。」と、言う方が適切です。
骨と骨の間が狭くなった場合どうするのか?牽引をする場合がありますが、残念ながら痛みは改善しませんし、逆に悪化する症例もあります。
最後は手術?成功例も有るのでしょうがヘルニア等の手術で数多くの再発例を見てきました。私は、自分がヘルニアになっても手術は絶対しません。
マッサージや指圧は?これも無意味に筋肉を傷めているだけです。その証拠にぎっくり腰や寝違えや肉離れの処置でマッサージをする先生はいないと思います。ダメージを受けている組織に強い刺激は、かえって症状を悪化させることを経験的に知っているからです。
もちろん、肩こり等で慰安的なマッサージでその時でも楽になれば良いという考えもあるとは思いますが、はたしてこれが治療と言えるか?
自然形体の手法は、殆どが筋肉を含めた軟部組織に対する手法です。
筋肉の緊張を取り除く事により全部では有りませんが、かなりの痛みを解決します。治療は、出来るだけ優しくゆっくり行います。例えば、人間寝ている時に少しくらいの痛みは自然に回復します。
おそらく副交感神経が優位になり、筋肉等の損傷に対して人間に元々備わっている治癒力の働きによるものだと思います。ですから乱暴な治療や強い刺激は、治るどころか治癒期間がかえって長くなってしまうのです。
自然形体の治療手法は、既成の治療方法と比べるとかなりスローな治療です。これが大切な事なのです。
人間の本能は、相手に対して敵だと無意識に判断してしまうと交感神経が働き身体が筋張して防衛体制になります。身体が緊張している間は痛みは緩和しません。
既成の治療学には、以上の様に多くの間違えがありますが、一つ言える事は、痛いことは身体が拒否しているのです。もし、貴方が今受けている治療が痛みを伴うものであればそれは誤りです。捻挫をした後、患部を動かしても痛い状況で無理矢理歩く人はいません。それは無理をすれば治りが遅くなることを経験的に知っているからです。
治療の基本は”気持ち良い感覚”だと思います。
その延長に筋肉の緊張の緩和、その結果が痛みの軽減につながるのではないかと思います。自然形体療法は日本から生まれた世界に冠たる治療学です。 この治療方法が万能であるとは言いませんが、他の療法に比べはるかに理想的な治療法であると断言できます。
いつの日か、この治療方法がスタンダードな治療になる事を願っております。